北海道の広大な森の中でひっそりと暮らしている鳥「エゾライチョウ」をご存知でしょうか？
エゾライチョウは北海道に生息する美しい鳥で、少し大きめの体と独特の羽模様が特徴です。
普段は森の奥深くに身を潜めているため、なかなか目にすることが難しいですが、出会ったときの感動はひとしおです。

エゾライチョウはオスとメスで羽の色や模様が異なります。
オスは鮮やかな黒と白のコントラストが美しい羽を持ち、胸元には赤い肉冠（にくかん）と呼ばれる部分があります。
一方、メスは茶色と灰色が混ざり合った落ち着いた色合いで、周囲の木々に溶け込むような保護色をしています。
どちらも美しい羽を持ち、森の中でその姿を見つけるとその繊細な美しさに心を奪われます。

エゾライチョウは季節ごとに異なる行動を見せることでも知られています。
春になるとオスはメスに向けて大きな声で鳴き声を響かせ求愛行動を行います。
その鳴き声は静かな森の中に遠くまで響き渡り、自然の中で生きる力強さを感じさせてくれます。
秋から冬にかけては、エゾライチョウは森の中で木の実や昆虫を探しながら静かに過ごし、雪の中でもしっかりとその存在感を示します。

この鳥に出会うには早朝や夕方の静かな時間帯が狙い目です。
森の中をゆっくりと散策し、耳を澄ませながら周囲を観察してみましょう。
運が良ければ枝の上や地面で食事をしているエゾライチョウの姿を見つけることができるかもしれません。

北海道の自然が育んだエゾライチョウは、まさにこの土地ならではの宝物です。
その静かな美しさがあなたの心に深く刻まれることでしょう。

地域おこし協力隊　文化財活用担当　大谷